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令和2年度決算の概要

令和2年度決算の概要

 消防団員等公務災害補償等共済基金の公務災害補償業務及び退職報償金支払業務に係る令和2年度決算について、令和3年6月10日の評議員会の審議、6月15日の理事会の議決を経て、総務大臣へ報告を行いました。
 以下、その概要を紹介します。
 なお、令和2年度決算に関する各種財務資料については、会計処理に関するアドバイザリー業務委託契約に基づき小見山公認会計士事務所から確認を受けています。

事業状況報告書

事業の状況

1 公務災害補償業務に係る分
(1) 消防団員等公務災害補償責任共済事業

 基金は、消防団員等公務災害補償等責任共済等に関する法律(以下「責任共済法」という。)第2条第1項に定められている消防団員等公務災害補償責任共済契約に基づき、市町村等(市町村又は水害予防組合をいう。以下同じ。)の補償に要する経費を市町村等に支払っている。
 令和2年度の損害補償費の支払額は、1,597,932千円(1,371件)で、前年度に比べて70,874千円の減となっている。その主な要因としては、ポンプ操法訓練中の事故が前年度の1割強程度の水準に留まっており、新型コロナウイルス感染症が大きく影響したものと思料される。
 令和2年度に新たに損害補償費が支払われた者は、団員(消防団員及び水防団員をいう。以下同じ。)454件(死亡2件、負傷452件)、消防作業従事者等48件(死亡2件、負傷46件)で、前年度に比べて団員763件の減(死亡増減なし、負傷763件の減)、消防作業従事者等9件の減(死亡1件の増、負傷10件の減)である。
 主な補償種目別の支払状況は、次のとおりである。

ア 療養補償費(傷病の治療に必要な費用を支給するもの)として194,464千円(595件(うち新規502件))を支払った。

イ 障害補償費(傷病の治ゆ後に一定の障害が残った者に年金又は一時金を支給するもの)として171,899千円を支払った。うち、年金として163,562千円(89件)、一時金として8,337千円(6件)を支払った。

ウ 遺族補償費(死亡した者の遺族に年金又は一時金を支給するもの)として1,182,735千円(すべて年金で、578件(うち新規2件))を支払った。

 また、令和3年度以降の補償年金等の支払に備えて、責任準備金として19,106,984千円(対前年度835,790千円の減(4.19%減))を計上している。

(2) 消防団員等福祉事業

① 消防団員等福祉給付事業

 消防団員等福祉給付事業は、公務上の災害を受けた団員及び遺族の福祉を増進するため、基金が市町村等に代わって行うものである。
 令和2年度の福祉給付事業の支給額は、358,521千円(788件)で、前年度に比べて42,869千円の減となっている。
 主な支給種目別の支給状況は、次のとおりである。

ア 奨学援護金として29,578千円(72件)を支給した。

イ 遺族特別援護金として37,200千円(2件)を支給した。

ウ 障害特別給付金として34,609千円を支給した。うち、年金として33,876千円(82件)、一時金として733千円(3件)を支給した。

エ 遺族特別給付金として226,299千円(すべて年金で、503件(うち新規2件))を支給した。

 また、変動調整準備金として18,040,873千円を計上しているが、このうち3,823,936千円は、令和3年度以降の福祉年金の支給に備えたものである。

② 公務災害防止事業

 公務災害防止事業は、団員の公務災害防止に関する活動に対する援助その他の団員の公務災害防止のために必要な事業を行うものである。
 令和2年度の公務災害防止事業の支払額は、183,765千円で前年度に比べて11,456千円の減となっている。
 その内訳は、次のとおりである。

ア 公務災害防止活動援助事業

 団活動中の安全性と行動性を高めるための安全装備品の整備を行った市町村等に対して助成金を交付した(274団体、事業費168,769千円)。
 また、団員の循環器系疾患(脳血管疾患・虚血性心疾患)を予防するために保健所と連携した健康増進に係る取組を行った市町村等に対して助成金を交付した(1団体、事業費300千円)。
 さらに、自然災害により甚大な被害を受け、かつ、緊急的な措置として安全装備品を交付する必要がある市町村等に対して安全装備品を交付した(10団体、事業費9,894千円)。

イ 公務災害防止対策調査研究事業

 団員の公務災害の発生状況を調査・分析し、公務災害の防止に効果的な対策を検討した(事業費120千円)。

ウ 公務災害防止対策普及推進事業

 団員の公務災害防止のために、次に掲げる研修を行った市町村等に対し、講師のあっせんや教材の提供を行うとともに、助成金を交付した(事業費2,007千円)。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、主催者である市町村等から開催の申請がほとんどなく、2回しか実施できなかった(前年に比べて151回の減)。
 また、下記(ア)及び(イ)の研修の講師となる指導員を養成した(事業費1,221千円)。
 さらに、ホームページ等で団員の公務災害防止に関する情報提供を行った(事業費1,454千円)。

(ア) S-KYT(消防団危険予知訓練)研修(1回、受講者64人)

 団活動に潜む危険を予知するとともに、その危険に適切に対応できる能力を養成するためのS-KYT(消防団危険予知訓練)の基礎知識とその実技を習得する研修

(イ) 消防団員セーフティ・ファーストエイド研修(1回、受講者175人)

 災害現場等で負傷者の応急処置を行う際に自身の安全を確保した上で適切に対応できるようにファーストエイド(外科的応急処置)の基礎知識とその実技を習得するとともに、災害現場等での悲惨な体験や恐怖を伴う体験により急性ストレス障害が発生した団員に適切に対応できるようにPFA(心理的応急処置)の基礎知識とその実技を習得する研修

③ 自動車等損害見舞金支給事業

 火災、水災などの緊急時に団員がその所有する自動車等で災害現場へ出動し、車両に損害を受けた場合又は平常時にやむを得ず当該自動車等を団活動に直接使用し、又は使用させたとき、車両に損害を受けた場合の見舞金として13,420千円(142件)を支給した。

(3) その他の事業

① 市町村特別交付金事業

 昭和57年度以前の消防作業従事者等に係る損害補償について、市町村等はその全額を補償しているが、基金は、消防団員等公務災害補償責任共済事業において、補償に要する経費のうち2分の1を市町村等に対し支払うこととされているため、残りの2分の1相当額を市町村等に対し交付した(事業費44,884千円)。

② 実務研修会の実施

 公務災害補償制度及び公務災害防止対策の必要性への理解を深め、その運用等について市町村等の担当職員の事務処理の適正化を期するため、都道府県、消防関係組合等と連携して実務研修会を実施したところであるが、新型コロナウイルス感染拡大防止を考慮し、3か所の実施に留まった(前年度比27か所減)。
 (退職報償金支払業務と同時開催)

2 退職報償金支払業務に係る分
(1) 消防団員退職報償金支給責任共済事業

 基金は、責任共済法第2条第2項に定められている消防団員退職報償金支給責任共済契約に基づき、市町村の退職報償金の支給に要する経費を市町村に支払っている。
 1人当たりの支給額は階級及び勤務年数により異なり、例えば階級が団長の場合に239千円から979千円まで、階級が団員の場合に200千円から689千円までとなっている。
 令和2年度の退職報償金の支払額は、17,024,835千円(42,217人)で、前年度に比べて744,372千円(2,299人)の減となっている。その内訳は、当年度に退職した者に係る支払額(現年度退職報償金)が4,101,512千円(10,148人)で、前年度に比べて687,208千円(1,849人)の減、前年度以前に退職した者に係る支払額(過年度退職報償金)が12,923,323千円(32,069人)で、前年度に比べて57,164千円(450人)の減となっている。
 また、令和2年度までに既に退職した者の退職報償金で、今後、市町村から基金に対し請求が行われるものに備えて、未払給付引当金13,117,288千円を計上している。

(2) 実務研修会の実施

 退職報償金制度の理解を深め、その運用等について市町村等の担当職員の事務処理の適正化を期するため、都道府県、消防関係組合等と連携して実務研修会を実施したところであるが、新型コロナウイルス感染拡大防止を考慮し、3か所の実施に留まった(前年度比27か所減)。
 (公務災害補償業務と同時開催)。

3 理事会・評議員会の開催状況
(1) 理事会
  • 令和2年6月12日 令和元年度決算(案)について
    (書面表決)
  • 令和2年6月22日 監事の選任について
    (書面表決)
  • 令和2年7月13日 役員の選任について(常務理事、理事)
    (書面表決)
  • 令和2年10月7日 役員の選任について(理事長、理事)
    (書面表決)
  • 令和2年12月16日 余裕資金の運用として行う公益財団法人日本消防協会への貸付及び総務大臣への承認申請について
  • 令和3年2月17日 令和3年度事業計画書(案)について
(2) 評議員会
  • 令和2年12月15日 余裕資金の運用として行う公益財団法人日本消防協会への貸付及び総務大臣への承認申請について
  • 令和3年2月9日 令和3年度事業計画書(案)について
4 主な会議の開催状況
  • 消防団員等公務災害補償等事務説明会
     新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から中止し、事務説明資料を消防基金ホームページに掲載するとともに、説明動画を同ホームページ内の市町村等専用ページで配信した。
  • 消防団員等公務災害補償等全国研修会
     新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から中止した。
  • 業務連絡調整会議
     新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から中止した。

契約締結の状況

1 公務災害補償業務に係る分

 令和2年4月1日に、埼玉県市町村総合事務組合(57市町村で構成)が新たに加入したことから、令和2年度末において基金と契約を締結している団体の関係市町村(消防団員等公務災害補償事務を単独で行っている市町村又は一部事務組合で行っている場合のその構成市町村)の数は1,677であり、全国の契約対象市町村数1,719に対する比率は97.6%である。
 関係市町村の数、人口、消防団員の定員、水防団員の定員及び水害予防組合の組合員数は、次のとおりである。

区分令和2年度令和元年度比較増減
関係市町村の数 1,677 1,620 57
763 729 34
町村 914 891 23
人口
消防従事者分 124,503,627 120,051,170 4,452,457
水防従事者分 123,708,583 119,256,126 4,452,457
団員
消防団員の定員 894,038 885,575 8,463
水防団員の定員 18,045 17,983 62
水害予防組合の組合員 314,698人 310,391人 4,307人

(注)令和2年度の欄中、関係市町村の数は、令和3年3月31日現在の数、消防従事者人口は、関係市町村の平成27年10月1日現在の国勢調査人口(確定値)、水防従事者人口は、関係市町村の平成27年10月1日現在の国勢調査人口(確定値)に基づく人数、消防団員の定員は、関係市町村の令和元年10月1日現在の定員、水防団員の定員は、関係市町村及び契約水防事務組合の令和元年10月1日現在の定員、水害予防組合の組合員は、契約水害予防組合の令和元年10月1日現在の組合員数である。

2 退職報償金支払業務に係る分

 令和2年度末において基金と契約を締結している団体の関係市町村(消防団員退職報償金支給事務を単独で行っている市町村又は一部事務組合で行っている場合のその構成市町村)の数は1,719であり、全国の契約対象市町村数1,719に対する比率は100%である。
 関係市町村の数及び消防団員の定員は、次のとおりである。

区分令和2年度令和元年度比較増減
関係市町村の数 1,719 1,719 0
793 793 0
町村 926 926 0
消防団員の定員 911,127人 916,462人 △5,335人

(注)令和2年度の欄中、関係市町村の数は、令和3年3月31日現在の数、消防団員の定員は、関係市町村の令和元年10月1日現在の定員である。

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