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【いすみ市】消防団員安全管理セミナーを実施して



いすみ市消防団

いすみ市は、平成17年に3町が合併し誕生した市で、千葉県の南東部に位置し温暖な気候と肥沃な耕地に恵まれ四季折々の農作物が豊かに実る田園都市です。
市の中央を流れる夷隅川は県内でも有数の流域面積を誇り、良質な米づくりに最適な肥沃な土壌を運び、「いすみ米」はその品質の高さから千葉の三大米に数えられ、皇室献上米にも選ばれています。また、近海は親潮と黒潮が交わる全国有数の漁場が広がり、全国でも有数の漁獲量を誇る「外房イセエビ」や「太東・大原産真蛸」のほか、「いすみ産大さざえ」や「いすみ産マダイ」といった海の幸が、千葉ブランド水産物として認定されております。

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いすみ市消防団もまた、平成17年に3町が合併したことに伴い発足した消防団であり、令和6年4月現在では、消防団長以下788名、14分団で構成され、団本部指揮車2台、救助資機材搭載型ポンプ車1台、多機能型消防車両1台、可搬ポンプ積載型照明車5台、消防活動二輪車3台、消防ポンプ車33台の合計45台の車両を配備し、常備消防と連携を図りながら日夜活動をしております。また、こうした活動により、平成22年には消防団として最高栄誉である特別表彰「まとい」を受章いたしました。
当市消防団は、平成27年から隔年で消防団安全管理セミナーを開催しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により平成31年4月に開催したセミナーを最後に開催を見合わせておりました。しかし、新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、また、団員からも再開催を望む声が多くあったこともあり、この度セミナーを開催することといたしました。
本来であれば、団員全員が受講できる機会を設けるべきではありますが、当市消防団は、700名以上の団員が所属している規模の大きな消防団であるため、今回は本部及び分団役員、また新入団員や新型コロナウイルス感染症の影響によりセミナーを開催できなかった期間に入団した、比較的消防団歴の浅い団員など約200名を対象とすることとしました。

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令和6年4月21日に消防団員等公務災害補償等共済基金より日野進氏を講師にお招きし、消防団員安全管理セミナーを開催いたしました。日野氏は、東京消防庁ご退職後に、消防団員等公務災害補償等共済基金においてS-KYT指導員を務めておられる大変経験豊かな方で、現場での経験などを基に公務災害の発生状況、災害現場で活動を行う上で必要不可欠な安全管理について、90分間ご講義いただきました。
セミナーの中では、「消防団は1人1人の安全確保あっての消防団組織である。」そのためには、事故が起きる前に危険を予測し、安全対策を講じる予防安全に取り組む必要があり、事故の予防には「健康な体を作る」、「教育・訓練を充実強化する」、「機械・器具を整備する」、「指揮命令を徹底する」、「安全の雰囲気を作る」といった5つの対策があるとお話しいただきました。
消防団活動は大変重労働であるため、日頃より団員それぞれが体調管理に努めること、また、「慣れ」による事故も多く発生していることから、基本を徹底し団員1人1人が安全に対する意識を高くすること、そして消防団という組織の中で活動する上では規律を守ることが重要であるとお話しいただいたことが特に印象的であり、その重要性を再認識しました。
また、公務災害の多くは訓練中に発生しており、その中でも操法訓練中に多発しているとのことでしたが、当市においても公務災害は操法訓練中に発生したものがほとんどを占めています。
当市消防団は千葉県消防操法大会のポンプ車操法の部、小型ポンプ操法の部で最優秀賞を受賞するなど、上位入賞の成績を多く残しており、操法訓練にも熱心に取り組んでおります。これから操法大会の時期が近づき訓練も本格化していく中で、訓練中の負傷や事故が懸念されますが、今回のセミナーを受講したことにより、団員それぞれが内容を理解し実践していくことで、公務災害発生のリスクを軽減できるのではないかと考えております。

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講義終了後のアンケートでは「大変参考になった」、「受講できなかった団員にも内容を共有したい」といった意見が寄せられました。また、安全管理セミナーの他にもS-KYT研修や健康づくりセミナーなどの開催を希望する声も多く聞かれました。来年度以降も、消防団員等公務災害補償等共済基金が実施するセミナーや研修を活用させていただき、今回受講できなかった団員や来期以降入団してくる団員への受講の機会を設け、安全管理への意識の向上を図っていきたいと考えております。
いすみ市消防団は、今後も合併前の旧各町消防団の時代から築き上げてきた長い歴史と伝統を継承しつつ、更なる伝統と歴史を積み上げていくため、"安全管理"を配慮しながら全団員が一丸となって活動をしてまいります。

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