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【那智勝浦町消防団】S-KYT(消防団員危険予知訓練)研修を実施して



那智勝浦町消防団

那智勝浦町は、和歌山県の南東部に位置し、東は黒潮洗う熊野灘に臨み太地町と接し、西は串本町及び古座川町、北は新宮市に接しています。内陸には山が迫り、山地と丘陵地を合わせた面積が総面積の90%を占めています。
紀伊山地の南に連なる那智連峰からは那智川、太田川の両河川が熊野灘に注ぎ、海岸部では見事なリアス式海岸を展開しています。温暖多雨な本町は、風光明媚な景観と山の緑、海の青に恵まれたところです。
日本三大名瀑として知られている「那智の滝」を抱く那智山は、日本の代表的な聖地として歴史的によく知られ、熊野三山の一つとして、修験道や観音信仰と結びついて発展し、平安時代以降には、「蟻の熊野詣」と言われるほど参詣路(熊野古道)はにぎわいました。
本町は、那智山の門前まち那智町、温泉と漁業のまち勝浦町、更に宇久井村、色川村の4か町村が合併し、昭和30年4月に誕生しました。その後昭和35年1月に下里町、太田村が加わり現在の姿となっています。
世界遺産に登録されている「熊野古道」、「熊野那智大社」、「那智山青岸渡寺」など多くの名所があり、生まぐろ水揚げ日本一の勝浦漁港、温泉も各所に点在している大変魅力的な町です。

熊野灘

那智勝浦町消防団は、昭和30年に発足した歴史ある消防団で、水火災への出動はもちろんのこと、常日頃から訓練に励み、全国消防操法大会出場は4回(女性操法も含む。)で、県消防操法大会優勝は多数に及びます。これらの活動もあり、昭和60年には消防団として最高の栄誉である日本消防協会特別表彰「まとい」を受章いたしました。
現在は、8個分団224人(男性団員198人、女性団員26人(令和7年1月1日現在))を擁し、指揮車1台、ポンプ自動車7台、可搬ポンプ積載車8台、消防艇1艇を駆使して、常備消防と連携しながら、町民の生命、身体及び財産を災害から守っています。また、「那智の滝」周辺で行われている「那智の扇まつり」の警備や「ブルービーチ那智」で開催される花火大会の警備、火災予防運動期間中の防火広報、応急手当普及員活動、年末特別警戒等を実施し、日々精力的に活動を展開しています。

消防艇

日々精力的に活動を展開している本町消防団ですが、訓練中や災害出動中にケガをしてしまい、その後の活動に参加できない事案が発生しています。その中には、自身の仕事に支障を来すケースもあります。ケガをした団員の方々に話を聞くと、「段差があることに気がつかなかった。」、「どうしてこの場所で、このようなケガをしてしまったのか分からない。」等危険を認識できていないことが多く、対策を立てることに苦慮していました。そこで、団員の皆様には、活動中のどこにどのような危険が潜んでいるか見抜く力を養っていただきたいと考えて、本研修に申込みさせていただきました。

研修風景

研修申込み後しばらくして、本研修の主任指導員である消防団員等公務災害補償等共済基金S-KYT指導員の一本木正行様から事前打合せのための連絡をいただき、事前の準備物、会場設営、当日の流れ、配布物等の入念な打合せを実施しました。そのため、本町消防団で初めて実施した研修にも関わらず、本番当日は、不安なく迎えることができました。
令和6年11月17日に56名の消防職団員が参加して、S-KYT(消防団員危険予知訓練)研修3時間コースを開催しました。研修には、同共済基金S-KYT指導員である一本木正行様、清水武様、佐野弘様の3名をお招きし、本研修の概要や公務災害の現状説明、指差し呼称の練習、危険要因の捉え方、対策樹立等の指導をしていただきました。グループワークが中心の研修であったため、開始当初は、参加された団員に遠慮や戸惑いもありましたが、指導員の皆様の巧みな指導の基、徐々に会場の空気が温まり、最終的には団員の積極的な発言や行動が目立つ大変有意義な研修となりました。また、研修後のアンケートでは、「大変参考になった。」、「他の研修も受講してみたい。」等の意見が多くあり、来年度以降も継続的に、消防団員等公務災害補償等共済基金の研修を活用させていただきたいと考えております。

指差し唱和

研修を受講して、危険要因の把握、本質の見極め、対策樹立及び目標設定することの大切さを学びました。今回学んだことを本町消防団全体で実行できるように、今回の研修で得た情報の共有、日々の消防団活動からの意識改革、定期的な同様の研修の開催等少しずつではありますが、取り組んでいきたいと思います。
最後に、令和7年度は、第26回全国女性消防操法大会出場等を予定しており、本町の消防団活動がより活発になることが予想されています。「那智勝浦町消防団ゼロ災で行こう ヨシ!」を合言葉に、消防団員の公務災害をゼロにできるように消防職団員一丸となって活動に励んでいきます。

タッチ・アンド・コール

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