令和元年度における退職報償金の支払人数・支払額等について、その概要を以下に紹介します。
令和元年度の支払人数は44,516人、支払額は17,769百万円余となっています。前年度と比較すると、支払人数で1,421人の増(3.3%増)、支払額で495百万円の増(2.9%増)と、いずれも増加しています(図1)。
図1 支払人数と金額(直近5か年)
1人当たりの平均支払額については399千円となっており、前年度と比べると、2千円の減少となっています(図2)。最近に見られる増加傾向については、勤務年数が長期化していること(図4にて後述)がその要因のひとつとして考えられます。
図2 平均支払額(最近5か年)
支払人数について見ると、階級別では、「団員」の16,257人(36.5%)が最も多く、続いて「班長」の9,963人(22.4%)、「部長」の8,466人(19.0%)の順となっており、この3つの階級区分を合わせると全体の77.9%を占めています(図3)。階級別ごとの支払人数に変化はあまり見られません。
図3 階級別支払人数
勤務年数別では、「5年以上10年未満」の11,057人(24.8%)が最も多く、続いて「10年以上15年未満」の9,041人(20.3%)、「15年以上20年未満」の7,602人(17.1%)の順となっており、この3つの勤務年数区分を合わせると全体の62.2%を占めています(図4)。平成27年度と比べると、20年未満が減少傾向であるのに対し、20年以上は増加傾向にあり、勤務年数が長期化する傾向が見受けられます。
図4 勤務年数別支払人数
現年度・過年度別(注)では、「過年度退職者」の32,519人(73.1%)に対し、「現年度退職者」は11,997人(26.9%)となっています(図5)。平成27年度と比較すると、現年度支払人数の割合は小さくなっており、過年度支払人数の割合が大きくなっています。
図5 現年度・過年度別支払人数
支払額についてみると、階級別では、「団員」の4,525百万円(25.5%)が最も多く、続いて「班長」の3,780百万円(21.3%)、「部長」の3,676百万円(20.7%)の順となっており、この3つの階級区分を合わせると全体の約3分の2を占めています(図6)。
図6 階級別支払額
勤務年数別では、「30年以上」の4,861百万円(27.4%)が最も多く、続いて「20年以上25年未満」の2,909百万円(16.4%)、「15年以上20年未満」の2,738百万円(15.4%)の順となっており、この3つの勤務年数区分を合わせると全体の6割近くを占めています(図7)。平成27年度と比べると、20年未満の各区分では減少し、20年以上の各区分では増加しています。
図7 勤務年数別支払額
現年度・過年度別では、「過年度退職者」の12,980百万円(73.1%)に対し、「現年度退職者」は4,789百万円(26.9%)となっています(図8)。
図8 現年度・過年度別支払額
注 一つの支払年度において、当該年度中に退職した者を現年度退職者といい、当該年度前に退職した者を過年度退職者といいます。