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消防団員の公務災害発生状況(平成30年度発生事故認定分)

1 平成30年度の公務による負傷者等

平成30年度中に発生した消防団員の公務による負傷者及び疾病者(以下「負傷者等」といいます)の人数は、1,254人(うち殉職者1人)となっています。
※令和元年度末までに基金が支払った人数です。

(参考)
令和元年度中に発生した消防団員の公務による負傷者等の人数は、速報値(令和2年8月末までに支払った人数)で、1,127人となっています。

2 活動態様別に見る公務災害の発生状況

活動態様を「非常時」と「平常時」に大別すると、「平常時」に発生した公務災害は全体の約8割で、「非常時」の公務災害を大きく上回ります。
活動別に見ると、「演習訓練」中の事故が最も多く(903人、72.0%)、次いで「消火活動」(163人、13.0%)となっています(図1)。

図1 活動態様別公務災害発生状況
図1 活動態様別公務災害発生状況

消火活動では、消防ホースや側溝などに足を取られて転倒する、足をくじく、釘を踏み抜く、などの事故が多く見られます。

3 「演習訓練」時の事故発生状況

全体の7割以上を占める演習訓練時の事故発生状況を詳しく見ると、次のとおりです。
演習訓練での負傷者等は903人です。このうち、546人がポンプ操法の動作による事故(熱中症含む。)で67.1%を占め、高い割合となっています(図2)。

図2 演習訓練中の公務災害発生内訳
図2 演習訓練中の公務災害発生内訳

また、演習訓練時の負傷者等を事故の型別で見ると、「動作の反動」による災害が563人と全体の62.3%を占め、これに「転倒」(110人、12.2%)、「激突」(81人、9.0%)が続きます(図3)。

図3 演習訓練時における負傷者等の事故型別人数
図3 演習訓練時における負傷者等の事故型別人数

次に、傷病部位別で見ると、「下肢」が536人で全体の59.4%を占め、次に「上肢」(119人、13.2%)、「胴体」(94人、10.4%)の順になっています(図4)。

図4 演習訓練時における負傷等の傷病部位別人数
図4 演習訓練時における負傷等の傷病部位別人数

傷病名別の人数では、「打撲傷・挫傷」が508人で全体の56.3%を占め、次いで「脱臼・捻挫」(166人、18.4%)、「骨折」(91人、10.1%)の順になっています(図5)。

図5 演習訓練時における負傷者等の傷病名別人数
図5 演習訓練時における負傷者等の傷病名別人数

なお、演習訓練時の事故事例をいくつかあげますと、次のとおりです(表)。

表 演習訓練時の事故の主な事例
事故の型事故内容
動作の反動 小型ポンプ操法の指揮者の訓練をしていたところ、筒先と消防ホースを搬送しようと立ち上がった瞬間、右足ふくらはぎに痛みが走った。(右下腿部挫傷)
転倒 ポンプ車操法の3番員として訓練中、吸管を伸長した際に吸管が伸びきった反動で後方に転倒し、後頭部を舗装路面に強打した。(外傷性頚部症候群、頭部打撲)
激突 操法大会の練習中に防火水槽に放水していたところ、ポンプの圧を急に上げたためホースの筒先が暴れ、暴れたホースを掴もうとしたところ、ホースの金具が右手首に当たった。(右手関節打撲傷)
はさまれ・巻き込まれ 訓練中、ポンプ車の吸管を収納していたところ、吸管固定金具により吸管を固定する際、吸管固定金具と吸管の間に左手親指を挟んだ。(左母指末節骨骨折、左母指圧挫傷)
墜落・転落 消防出初式のはしご乗り隊出場に伴う事前訓練中において、はしご上で二人技「足釣」から「谷覗き」に移行する際に、お互いの右手が滑って外れ、もう片方の左手で支えきれず、下乗り手が高さ約3メートルの位置から落下した。(左踵骨骨折、左足部打撲傷)

4 公務災害防止のために

消防団員の公務災害はいつでもどこでも起こり得ます。
消防基金は公務災害防止のために、4種類の研修事業(「消防団員安全管理セミナー」「S-KYT(消防団危険予知訓練)研修」「消防団員健康づくりセミナー」「消防団員セーフティ・ファーストエイド研修」)を推進しており、市町村等の行う研修を積極的に助成・後援しています。消防団員の安心・安全を守るため、ぜひ当基金の研修事業をご利用ください。
研修事業の詳細は、お気軽に当基金企画課までお問い合わせください。
当基金ホームページの「各種ダウンロード」からもパンフレット『消防団員公務災害防止研修会のごあんない』がダウンロードできます。

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