統計資料一覧Statistics List

  1. ホーム
  2. 統計資料一覧
  3. 消防団員の公務災害発生状況(令和元年度発生事故認定分)

消防団員の公務災害発生状況(令和元年度発生事故認定分)

1 令和元年度の公務による負傷者等

令和元年度中に発生した消防団員の公務による負傷者及び疾病者(以下「負傷者等」といいます)の人数は、1,154人(うち殉職者3人)となっています。
※令和2年度末までに基金が支払った人数です。

(参考)
令和2年度中に発生した消防団員の公務による負傷者等の人数は、速報値(令和3年8月末までに支払った人数)で、351人となっています。

2 活動態様別に見る公務災害の発生状況

活動態様を「非常時」と「平常時」に大別すると、「平常時」に発生した公務災害は全体の約8割で、「非常時」の公務災害を大きく上回ります。
活動別に見ると、「演習訓練」中の事故が最も多く(817人、70.8%)、次いで「消火活動」(156人、13.5%)となっています(図1)。

図1 活動態様別公務災害発生状況
図1 活動態様別公務災害発生状況

消火活動では、消防ホースや側溝などに足を取られて転倒する、足をくじく、釘を踏み抜く、などの事故が多く見られます。

3 「演習訓練」時の事故発生状況

全体の7割以上を占める演習訓練時の事故発生状況を詳しく見ると、次のとおりです。
演習訓練での負傷者等は817人です。このうち、567人がポンプ操法の動作による事故(熱中症含む。)で69.4%を占め、高い割合となっています(図2)。

図2 演習訓練中の公務災害発生内訳
図2 演習訓練中の公務災害発生内訳

また、演習訓練時の負傷者等を事故の型別で見ると、「動作の反動」による災害が490人と全体の60.0%を占め、これに「転倒」(99人、12.1%)、「はさまれ・巻き込まれ」(65人、8.0%)が続きます(図3)。

図3 演習訓練時における負傷者等の事故型別人数
図3 演習訓練時における負傷者等の事故型別人数

次に、傷病部位別で見ると、「下肢」が437人で全体の53.5%を占め、次に「上肢」(114人、14.0%)、「胴体」(104人、12.7%)の順になっています(図4)。

図4 演習訓練時における負傷等の傷病部位別人数
図4 演習訓練時における負傷等の傷病部位別人数

傷病名別の人数では、「打撲傷・挫傷」が438人で全体の53.6%を占め、次いで「脱臼・捻挫」(140人、17.1%)、「骨折」(99人、12.1%)の順になっています(図5)。

図5 演習訓練時における負傷者等の傷病名別人数
図5 演習訓練時における負傷者等の傷病名別人数

なお、演習訓練時の事故事例をいくつかあげますと、次のとおりです(表)。

表 演習訓練時の事故の主な事例
事故の型事故内容
動作の反動 消防操法大会の小型ポンプ操法訓練中、指揮者として「操作始め」の号令をかけ、折りひざの姿勢で筒先を取った後背負い、進行方向に向きを変えて発進しようと立ち上がり2、3歩動いた際、左下腿肉に痛みを感じた。(左下腿肉離れ、左下腿皮下血種)
転倒 ポンプ車操法大会に向けての訓練中、3番員として吸管を延長するため、4番員とともに吸管を持って車両後方に走り始めた際、吸管が吸管フックに引っ掛かり、勢いでバランスを崩し、左肩から地面に転倒した。(左肩打撲傷、左肩腱板損傷)
はさまれ・巻き込まれ 操法練習中、積載車からの下車の動作練習をしていた際、自身で車の扉を閉め、左手人差し指を挟み負傷した。(左手打撲、左示指挫滅創)
つまずき 総合水防演習にて、水防マット工法を実施するため、整列位置から工法実施場所へ駆け足で移動していたところ、堤防の斜面のくぼみに足を取られ、右足首を捻った。(右足関節捻挫)
激突 小型ポンプ操法大会に向けての訓練中、使用するホースを確認しようとしたところ、ホースがしっかり巻かれていなかったため、巻き直そうとホースを展開する際、ホース金具が左頭頂部にあたり負傷した。(頭部挫創)

4 公務災害防止のために

消防団員の公務災害はいつでもどこでも起こり得ます。
消防基金は公務災害防止のために、4種類の研修事業(「消防団員安全管理セミナー」「S-KYT(消防団危険予知訓練)研修」「消防団員健康づくりセミナー」「消防団員セーフティ・ファーストエイド研修」)を推進しており、市町村等の行う研修を積極的に助成・後援しています。消防団員の安心・安全を守るため、ぜひ当基金の研修事業をご利用ください。
研修事業の詳細は、お気軽に当基金企画課までお問い合わせください。
当基金ホームページの「各種ダウンロード」からもパンフレット『消防団員公務災害防止研修会のごあんない』がダウンロードできます。

PAGE TOP